待機児童問題、新たな局面へ

2023年7月3日 11:00山田花子

都市部を中心に深刻化していた待機児童問題。保育士の待遇改善や施設の増加で解消に向かう一方、地方では定員割れも。

長年、社会問題とされてきた待機児童問題は、新たな局面を迎えています。政府や自治体の取り組みにより、保育所の整備が進み、全国の待機児童数は大幅に減少しました。しかし、その一方で、保育の「質」の問題や、地域による格差が浮き彫りになっています。

都市部では、依然として特定の人気園に希望が集中し、0-2歳児クラスでは入所が困難な状況が続いています。また、保育士の不足も深刻で、待遇改善は進むものの、依然として離職率の高さが課題です。現場の保育士からは、「子ども一人ひとりと向き合う時間が足りない」といった声も聞かれます。

一方、地方では、少子化の影響で定員割れを起こす保育所が増加しています。施設の維持が困難になり、閉園に追い込まれるケースも出てきました。これにより、保護者が希望する時間帯に子どもを預けられないなど、新たな問題が生じています。

専門家は、「量の確保から質の向上へ、そして地域の実情に合わせた持続可能な保育体制の構築へと、政策の重点を移すべき時期に来ている」と指摘します。子育て支援は、単に施設を増やすだけでなく、保育士の専門性を高め、地域全体で子どもを育てるという視点が不可欠です。